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2015年9月1日火曜日

Web玉塾

最近は受験サプリなどネットコンテンツが充実してきています。
その中で、どういったコンテンツが自分の生徒に合うのか、
それをどのように使うのか、というコーディネートする能力も求められてきているのかもしれません。

例えば、you tubeを見てみるだけで、以下のような
サイトに出会うこともあります。

http://pinchiozisan.web.fc2.com/index.html

2015年6月11日木曜日

課題論文カリキュラムの立ち上げ

2002年の総合的な学習の時間を機に、高校で卒論を書く取り組みを全校で取り組んだ学校に、立ち上げのステップを伺ってきました。

最初は、ボランティアで3人で始めたそうです。中心となった方が、カリキュラムの設計図を描き、定期的に職員会議にかけます。校長の後押しもありましたが、ほとんどの先生が反対していたなかでのスタートでした。

そこで、宅間紘一『はじめての論文作成術』(日中出版)をもとに授業用のハンドブックを作り、著者に教員研修会、生徒向け講演会に来てもらいます。この本は全教員に配布したそうです。

1年目の高1は1年間かけて問いを作ります。
まず、興味があることを政治、音楽、と10個ほど挙げ、そこから絞っていく。週に2時間、図書館に行き、それぞれの関心ある分野の本を読んだり調べたりして、情報カードに基礎知識を蓄え、ある程度たまればまとめの文を書きます。学習カルテに日付、したことやわからないことを書きます。これに、中心となった人がおひとりで180人分のコメントを毎週つけたということです。

このようにして調べる中で、問いを立てていきます。一人一時間づつ、放課後や夏休みを利用して面談し、本で調べてわかるようなことだからダメ、と指導します。これもおひとりでされたそうです。パッションには情熱と受難の両義性がある、と実感したと振り返ります。翌年、別の担当者になると、担任が担当することになりました。

高2で、アウトラインとサブテーマを細かに考え、10枚程度の予備論文を作成します。これにも、全員分のコメントをおひとりでつけたそうです。翌年は担任がすることとなりました。草分けは一人でしなければいけないが、道を作れば、あとに続く人が考えながら工夫すればよい、ということです。
中間発表が、高1で2回、高2で2回、高3で1回。なぜそのテーマなのか、何をやっているのか、などを2分程度で発表します。これに、一人の生徒が20人分くらいを担当し、コメントカードを書きます。一度教員が回収して、本人に返します。

高3で、400字詰めで50枚以上の論文を提出します。機械的に一人の教員が6、7人分くらいの生徒の論文を担当します。一つの論文を二人の教員が採点します。小笠原喜康「大学生のためのレポート・論文術」を参考に、注の付け方などの形式もしっかりと意識します。中心となった方が評価ルーブリックを作成しました。内容や形式について3段階の評価です。例えば、金子みすずを取り上げた論文を、数学の先生と音楽の先生が見ることになったそうですが、あまり評価はぶれなかったということです。これで、A評価になった論文は、論文集に掲載されます。

現在は、対象生徒を絞り、専任や講師の7人チームで、一人が20人を見る形態になりました。

この取り組みの意義は、国語の四技能、読む、聞く、話す、書くのすべてが、論文を書くという取り組みで伸ばせること、何より本をたくさん読むことになります。加えて、図書館やインターネットの使い方がわかり、パソコンでの資料・論文作成力もつきます。考えることに夢中になる、本を読むことに夢中になる、表現することに夢中になる、このように夢中になることで、他教科への関心も高まる、ということです。

2015年6月8日月曜日

国際バカロレア 理科

1.科学とは何か・科学的試みとは何か
1.1. 科学は、「万物には、人間の感覚で認識でき、人間の理性で理解できる、自律的な外的現実性がある」ということを基本的な前提としています。
1.2. 純粋科学は、この万物について共通の理解に至ることを目的としています。応用科学や工学は、新しい方法や製品につながる技術を開発します。ただし、これらの領域間の境界は曖昧です。
1.3. 科学者は、幅広いさまざまな方法を組み合わせて、科学のプロセスをつくり上げています。「科学的方法」は1つではありません。科学者は、その知見や考えを構築するために、その時々に応じてさまざまな方法を用いてきました。また、それは今日も同様です。科学者は、そうしたさまざまな方法について、どのようなことが科学的に妥当であるかについての共通理解をもっています。
1.4. 科学は、刺激的かつチャレンジに満ちた冒険です。多大な創造性と想像力、そして厳格で、きめ細かな思考と知識の活用を必要とします。科学者は、予期せぬ、驚くべき、偶発的な発見にも備えなければなりません。科学の歴史は 、 そのようなことが非常によく起こるということを示しています。
1.5. 多くの科学的発見は、直観のひらめきを伴います。また発見の多くは、特定の現象に関する推測、または単純な好奇心に端を発しています。
1.6. 科学者は、共通の専門用語と共通の推論のプロセスを用います。そのプロセスとは、類推と一般化を用いた演繹的推論と帰納的推論を指します。また、科学者は、科学における言語として「数学」という強力な道具を共有しています。実際に、いくつかの科学的な説明は、数学的な形式でのみ存在しています。
1.7. 科学者は、主張に対して懐疑的な態度をとらなければなりません。科学者がすべてを信じないということではありません。主張の真偽を信じるに足る根拠を得るまでは、判断を保留するということです。こうした根拠は、証拠と議論に基づきます。
1.8. 証拠が重要であるということは、根本的な共通理解です。証拠は、観察または実
験によって得ることができます。証拠は、人間の感覚(主として視覚)を通じて収集しますが、非常に小さいものや非常に遠い場所、あるいは人間の感覚では知覚できない現代科学の領域では 、 遠隔操作および自動で情報を収集できる設備やセンサーを用いています。改良された設備や新技術が、しばしば新しい発見への推進力になってきました。また、観察とそれに続く分析および推論が、宇宙の起源に関するビッグバン理論や、自然選択による進化の理論につながりました。これらの理論の場合には、コントロールされた実験を行うことは不可能です。地質学や天文学などの領域は、フィールドでのデータ収集に強く依存していますが、一方で、どの領域でも、証拠を収集するために、ある程度の観察を行うといえま
す。証拠を得る別の方法としては、コントロールされた環境での実験(一般的には実験室での実験)が挙げられます。データの形で証拠を得るのです。
(以下、略)

ねらい
1. 刺激的でチャレンジに満ちた機会を通じて、グローバルな文脈における科学研究とその創造性について理解する。
2. 科学技術を特徴づける知識体系、方法、および手法を習得する。
3. 科学技術を特徴づける知識体系、方法、および手法を応用し活用する。
4. 科学情報を分析、評価、統合する能力を身につける。
5. 科学活動の中で、効果的な協働およびコミュニケーションの必要性と価値に対して批判的意識を身につける。
6. 実験および研究に関する科学的スキルを身につける。スキルには、現在、利用可能な技術を活用することを含む。
7. 科学を学ぶことを通じて 21世紀のコミュニケーションスキルを身につけ、応用する。
8. 科学技術を用いることの倫理的影響について、グローバルな社会の一員として批判的な意識をもつ。
9. 科学技術の可能性とその限界についての理解を深める。
10. 科学の学問分野間の関係性と他の知識分野への影響についての理解を深める。

「物理」「化学」「生物」その他、日本語訳された資料は以下のページから取得できます。
http://www.ibo.org/en/about-the-ib/the-ib-by-region/ib-asia-pacific/information-for-schools-in-japan/

国際バカロレア 数学 ねらい

ねらい
1. 数学を楽しむとともに、数学のもつ優雅さや力を感得する。
2. 数学の原理と本質に対する理解を深める。
3. さまざまな文脈の中で自分の考えを相手に自信をもって明確に伝えられるようにする。
4. 論理的、批判的、創造的な思考力とともに、問題解決に取り組む根気と粘り強さを養う。
5. 抽象化や一般化を実際に行うとともに、その能力を高める。
6. 異なる状況や他の知識の領域、将来の発展に技能を応用または転移(transfer)できるようにする。
7. テクノロジーの発達と数学の発展が、互いにどのように互いに影響し合ってきたかを捉える。
8. 数学者の業績や数学の応用によって生じる道徳的、社会的、および倫理的な影響を捉える。
9. 数学がもつ普遍性や、その多文化的視点、および歴史的視点を認識することにより、数学の国際的側面を捉える。
10. 他の学問分野に対して数学がどのように貢献しているか、また「知の理論」(TOK)における「知識の領域」の1つとして数学がどのように貢献している
のかを捉える。

評価目標
1. 知識と理解 自分にとってなじみがあるかないかを問わず、さまざまな文脈の中で、数学に関する事実や概念、手法を頭に思い浮かべ、適切なものを選び、活用する。
2. 問題解決 現実的な文脈および抽象的な文脈の中で、問題を解決するために、数学の技能や結果、モデルに関する知識を思い浮かべ、適切なものを選び、活用する。
3. コミュニケーションと解釈 一般的な現実の文脈を数学の文脈に置き換え、その文脈を説明し、紙と鉛筆またはテクノロジーを使って、数学的な図式やグラフを描いたり、略図にしたり、作図したりして、解法、解答、および結論を標準化された表記法を用いて記録する。
4. テクノロジー 新しいアイデアを探究したり、問題を解決したりするために、テクノロジーを正確に、適切に、かつ効果的に使用する。
5. 推論 正確な記述、論理的な演繹および推論の使用を通じて、数式の演算によって数学的議論を構成する。
6. 探究的方法 それまで自分にあまりなじみのなかった抽象的な状況および現実的な状況について、情報を整理して分析し、予想を立て、結論を導き、その妥当性を検証するなど、詳細な調査を行う。

http://www.ibo.org/globalassets/publications/math-hl-guide-jp.pdf

国際バカロレア 知の理論 ねらい、評価目標、

「知ること」について知る
「知の理論」(TOK)は、批判的に思考して、知るプロセスを探究するコースであり、特定の知識体系を身につけるコースではありません。DPの「コア」の要件の1つとしてDPの生徒全員に課され、かつ最低 100 時間を割くことがすべての認定校に義務づけられています。TOKとDPの各科目は、学習のプロセスで互いの内容を照らし合わせ、共通の目標を目指すことから、相互に支え合うべきものです。TOKでは、私たちが「知っている」と主張することを、いったいどのようにして知るのかを考察します。具体的には、「知識に関する主張」(knowledge claim)を分析し、「知識に関する問い」(knowledge question)を探究するよう生徒に働きかけていきます。「知識に関する主張」とは、「私(たち)はXのことを知っている」や「私(たち)はYのやり方を知っている」といった主張であり、知識についての説明です。「知識に関する問い」とは、知識についてのオープンな問いです。「共有された知識」(shared knowledge)と「個人的な知識」(personal knowledge)の間の区別も本資料『「知の理論」(TOK)指導の手引き』で説明されています。この区別は、教師がTOKコースを考案したり、生徒が「知識の性質」(nature of knowledge)を探究したりする際に役立つものとして設けられています。

知るための方法
「知るための方法」(WOKs:ways of knowing)が多数あることは間違いありません。しかし、TOKでは、言語、知覚、感情、理論、想像、信仰、直感、記憶の8つの具体的な方法を設定しています。生徒は必ず複数の「知るための方法」を探究しなければなりません。また、8つの方法のうち4つを深く考察するのが適切であるとされています。

知識に対する問い
Xの証拠であると見なされるものは何か。
Yという科目で、有効な説明と見なされるための要因は何か。
Zにとってどれが最善のモデルかをどのように判断するのか。
どうすればWを確信できるのか。
Tという理論は、実社会では何を意味するのか。
Sをすることが正しいかどうかをどのようにして知るのか。

ねらい
1. 知識の構築に対する批判的なアプローチと、教科学習、広い世界との間のつなが
りを見つける。
2. 個人やコミュニティーがどのようにして知識を構築するのか、その知識がどのように批判的に吟味されるのかについて、認識を発達させる。
3. 文化的なものの見方の多様性や豊かさに対して関心を抱き、個人的な前提や、イデオロギーの底流にある前提について自覚的になる。
4. 自分の信念や前提を批判的に振り返り、より思慮深く、責任意識と目的意識に満
ちた人生を送れるようにする。
5. 知識には責任が伴い、知ることによって社会への参加と行動の義務が生じることを理解する。

評価目標
1. 「知識に関する主張」を裏づける目的で使用されているさまざまな種類の正当化の根拠を特定し、分析する。
2. 「知識に関する問い」を提起し、評価し、答えようとする。
3. 教科や「知識の領域」において、どのようにして知識が生成、形成されるかを考察する。
4. 「共有された知識」と「個人的な知識」を構築するプロセスで「知るための方法」が果たす役割を理解する。
5. 「知識に関する主張」「知識に関する問い」「知るための方法」「知識の領域」の間のつながりを探究する。
6. さまざまなものの見方を認識して理解し、自分自身のものの見方に関連づけることができる。
7. プレゼンテーションで、実社会や現代の状況をTOKの視点から探究する。

グループの境界を超えるための問い
自分が育ったのではない文化の知識を有することは本当に可能なのか。
個別の宗教的伝統の外側にある人は、その主要な考えを本当に理解することができるのか。
異なる伝統や関心をもった異なるグループが対立する主張を訴える時、判断を下す
中立の立場というのは存在するのか。
一般によく知られた「知識の領域」は、どの程度まである特定の伝統に根ざしてい
るのか。また、どの程度まである特定の文化に縛られているのか。

知識に関する問いの例
【例1】アフリカの将来の人口増加
「アフリカの将来の人口増加をどのようにすれば予測できるか」という問いは、「知識に関する問い」ではない。人口調査の学問領域内に収まる技術的な問いであるためである。
「知識に関する問い」の良い例は、「たとえ正確な予測が得られないとしても、数学的モデルからどのようにして知識を得ることができるか」という問いである。これは十分に一般性を備えており、数学的モデル化の目的と性質を探究するものである。

【例2】プラシーボ効果とその医学における影響
「プラシーボ効果はどのように機能するのか」という問いは、「知識に関する問い」ではない。これに答えるには、心理学の技術的な説明を要する可能性があるためである。このため、この問いは図4の線の上に属する。
「知識に関する問い」の良い例は、「XがYを引き起こす有効成分であることを、どのようにして証明できるか」という問いである。事実、この問いは、どのようにして因果関係を知ることができるかについての一般的な問いで、まさに古典的な「知識に関する問い」といえる。

知識の枠組み(知識の領域を広げる方法)
範囲、ねらい、応用
具体的な用語と概念
知識を生成するために使われる方法
主な発展の歴史
「個人的な知識」との関わり


http://www.ibo.org/globalassets/publications/tok-guide-jp.pdf

国際バカロレア 歴史 問い、ねらい、評価目標、指導

問い:
なぜ歴史を学ぶのだろうか。
過去に関する「確かな知識」とは存在し得るのだろうか。
歴史の学習は、人間の本質に関する私たちの知識を広げるだろうか。
歴史の学習は、現在を理解し、未来を予測するのに役立つだろうか。
歴史学者の分析において、どの程度、「感情」が関与しているだろうか。「(歴史の)客観性」は存在し得るだろうか。
なぜ、同じ歴史上の出来事に対して異なる記述があるのだろうか。私たちは「誰の歴史」を学んでいるのだろうか。
歴史学者の根拠の選択、および出来事に関する記述、解釈、分析の仕方を決定づけるものは何だろうか。
時間の経過に伴う言葉と文化の変化は歴史を学ぶにあたってどのような問題を生むだろうか。
歴史を「科学的」に考察することは可能だろうか。

ねらい:
1. 「人々の経験と行動」「物理的・経済的・社会的環境」「社会制度や文化的慣習の発展とその歴史」についての体系的かつ批判的な学習を促す。
2. 個人や社会の本質およびその活動に関する理論、概念、議論を認識し、それらを批判的に分析、評価する力を育てる。
3. 社会を研究するためのデータを収集、詳述、分析する能力、仮説を検証する能力、複雑なデータや資料を解釈する能力を育てる。
4. 学ぶということは自分たちが属する社会の文化と他の社会の文化の双方に関連するものであるという理解を促す。
5. 人々の態度や見解は多様であり、そして社会を学ぶにあたってはそのような多様性を受け入れる必要があるという理解を育てる。
6. グループ3の科目で扱う内容および手法には議論の余地があり、また、この分野の学問では不確実性を容認する姿勢が求められるという認識を育てる。
7. 歴史資料、手法、解釈の性質およびその多様性など、歴史学という学問分野に対する理解を促す。
8. 過去を批判的に考察することによって、現在に対する理解を促す。
9. 歴史上の発展がもたらした影響を、国レベル、地域レベル、国際レベルで理解できるよう促す。
10. 異なる文化における歴史を学ぶことによって、自分自身のアイデンティティーと歴史の間の関係性を認識できるよう促す。

評価目標:
評価目標1:知識と理解
記憶の中から、問いに関連のある歴史の知識を選び出す。
歴史的文脈を理解していることを示す。
原因と結果、連続と変化といった歴史の過程を理解していることを示す。
歴史資料を理解する。〔「試験問題1」(SL・HL)〕
詳細かつ深く掘り下げた知識を効果的に展開する。〔「試験問題3」(HL)〕
特定の歴史のトピックに関する知識と理解を示す。(内部評価)

評価目標2:応用と解釈
歴史に関する知識を根拠として応用する。
歴史問題や歴史上の出来事に対して異なるアプローチや解釈があることを認識し
ている。
根拠としての歴史資料を比較し、対比する。〔「試験問題1」(SL・HL)〕
根拠の要約を提示する。(内部評価)

評価目標3:知識の統合と評価
歴史問題および歴史上の出来事に対する異なるアプローチと解釈を評価する。
根拠としての歴史資料を評価する。〔「試験問題1」(SL・HL)、および内部評価〕
歴史資料と背景知識に基づく根拠を評価し、統合的に扱う。〔「試験問題1」(SL・
HL)〕
根拠に基づいて批判的論評を展開する。〔「試験問題2」(SL・HL)、および「試験問題3」(HL)〕
根拠と批判的論評を組み合わせ、それらを統合的に扱う。〔「試験問題3」(HL)〕
根拠の要約を分析し、それを提示する。(内部評価)

評価目標4:歴史学のスキルの活用
関連性が高く、バランスのとれた、焦点を絞った議論を根拠に基づいて構築し、それを小論文形式の答案として組み立てる〔「試験問題2」(SL・HL)、および「試験問題3」(HL)〕。
リサーチスキルおよび学習における構成能力があることを示す。また、参考文献を
適切に使用し、参考文献目録を正しく作成する能力があることを示す。(内部評価)

指導方法:
1.歴史的証拠の収集と分類この項目では、主に以下のスキルを身につけます。
本、論文、ウェブサイト、視聴覚資料から、関連性のある適切な証拠を探し、選び出すスキル
一次資料と二次資料、文書、視聴覚資料、口述資料、表や図式による資料など、さまざまな証拠の違いを認識するスキル

多様な歴史資料を探し出し、使用するための自信と主体性が向上することを、この項目における「生徒の進歩」と捉えます。

2.歴史的証拠の評価
この項目では、主に以下のスキルを身につけます。
歴史的証拠の主観的性質を認識すること
情報および解釈の出所となる資料を吟味し、また、これらの資料が互いを補強し合うものなのか、補足するものなのか、あるいは互いに矛盾し合うものなのかを考察するスキル
資料の価値および用途を認識し、また、なぜ歴史資料は慎重に使われなければならないかを理解するスキル
歴史の見解や解釈には相違があることを認識し、そしてそれらの解釈や見解はどのように異なるのか、また、なぜ異なるのかを理解するスキル

歴史の見解や解釈に対する認識が向上することを、この項目における「生徒の進歩」と捉えます。

3.人間の経験、活動、動機と歴史的過程との間にある関係の認識と理解
この項目では、主に以下のスキルを身につけます。
歴史的過程における原因と結果を認識、説明、分析するスキル
歴史的過程における連続性、変化、発展を認識、説明、分析するスキル
歴史的過程における類似点および相違点を認識、説明、分析するスキル
歴史的過程における人間の活動、経験、そして動機をさまざまな文化的・社会的側面に関連づけるスキル
異なる時代、地域に関する歴史資料を統合的に扱うスキル

さまざまな文脈における人間の経験の本質を正しく理解し、またその理解を深めることを、この項目における「生徒の進歩」と捉えます。

4.歴史に関する見解ならびに情報の体系づけと表現
この項目では、主に以下のスキルを身につけます。
問いを立てそれに答えること、または仮説を立てそれを検証するスキル
1つの問いを探究するにあたって複数の資料を使い、またそれらを統合的に扱うスキル
問いに応じて情報や考えを適切に選び出し、またそれらを効果的に使うスキル
見解、分析、また関連する実証に基づいて歴史的な「語り」を構築するスキル
要約し、結論を導き出すスキル

口述と記述の両方において、洗練された形で効果的に伝える力が向上することをこの項
目における「生徒の進歩」と捉えます。

http://www.ibo.org/globalassets/publications/history-guide-jp.pdf

国際バカロレア 課題論文における指導教員のコメント例と評価基準

コメント例

表紙、序論、要旨の3カ所において、研究課題の表現が異なる場合のコメント例――「表紙、序論、要旨の3カ所の研究課題を見てみましょう。何か気づくことはありますか」
論文にまとまりがなく漫然としており、議論も不明瞭である場合のコメント例 ――「この部分は明確さに欠けます。どうすればもっと明確な議論になるでしょうか」
計算に間違いがある場合のコメント例 ――「このページをよくチェックしてみましょう」
論文の1セクションが抜けている場合のコメント例 ――「この部分は何かが欠如しています。要件と照らし合わせて論文をチェックしてみましょう」
本来論文の本文に組み込まれるべきものが付録に記載されている場合のコメント例(もしくはその逆の場合)――「この情報は本当にここに記載するべきでしょう
か」
結論が弱い場合のコメント例 ――「ここで何を言おうとしているのでしょうか。研究結果はすべて組み込まれていますか。未回答のままになっている研究課題の設問はありませんか」
参考文献目録(bibliography)がアルファベット順になっていない場合のコメント例――「要件に照らし合わせて参考文献目録をチェックしてみましょう」
文献対照注(citation)が不完全である場合のコメント例 ――「文献対照注が正確かどうかに気をつけて、このページをチェックしましょう」

指導教員は、以下を行ってはなりません。
つづりや句読点を修正すること
実験や計算に修正を加えること
たとえ一部分でも、論文の書き直しをすること
論文のセクションをどのように並べ替えたらいいか示唆すること
文法などの誤りを校正すること
参考文献目録や文献対照注に修正を加えること


評価基準 ※いずれも到達度が最高レベルの基準

研究課題:研究課題が序論もしくは表紙において示されている。研究課題は制限語数(字数)の中で効果的に扱うことのできる、よく的を絞ったものとなっている。

序論:研究課題の文脈が明確に示されている。トピックの重要性と、そのトピックがなぜ研究に値するのかが明確に説明されている。

研究:適切な資料の調査とデータの収集が創意に富んだ範囲において行われている。また、関連のある資料が注意深く選び出されている。研究がよく計画されている。

トピックに関する知識と理解:研究トピックに関して非常に豊富な知識があり、また、それを非常によく理解している。必要に応じて、研究を明確かつ正確に学術的文脈の中に位置づけている。

理路整然とした議論:考えが一貫性のある形で論理的かつ明確に述べられている。研究課題に対して理路整然とした説得力のある議論を展開することに成功している。

科目に適切な分析・評価スキルの適用:適切な分析スキルと評価スキルが効果的かつ洗練された形で適用されている。

科目に適切な言葉の使用:考えや情報などが言葉によって明確かつ正確に伝えられている。科目に適切な専門用語が、スキルと理解を伴って正確に使用されている。

結論:効果的な結論が明確に述べられている。結論は研究課題に対して適切であり、論文内で扱った証とも一致している。必要に応じて、未解決の問題についても言及している。

形式・体裁:形式・体裁が基準を満たしており、非常によく整えられている。

要旨:「研究課題」「どのようにして研究が実施されたのか」「論文の結論」が明確に述べられている。

総体的評価:知的活動における主体性、理解の深さや洞察力などの、ある論文と他の平均的な論文との間の違いをつくり出すような特質が際立って存在する。

http://www.ibo.org/globalassets/publications/extended-essay-jp.pdf