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2015年6月11日木曜日

課題論文カリキュラムの立ち上げ

2002年の総合的な学習の時間を機に、高校で卒論を書く取り組みを全校で取り組んだ学校に、立ち上げのステップを伺ってきました。

最初は、ボランティアで3人で始めたそうです。中心となった方が、カリキュラムの設計図を描き、定期的に職員会議にかけます。校長の後押しもありましたが、ほとんどの先生が反対していたなかでのスタートでした。

そこで、宅間紘一『はじめての論文作成術』(日中出版)をもとに授業用のハンドブックを作り、著者に教員研修会、生徒向け講演会に来てもらいます。この本は全教員に配布したそうです。

1年目の高1は1年間かけて問いを作ります。
まず、興味があることを政治、音楽、と10個ほど挙げ、そこから絞っていく。週に2時間、図書館に行き、それぞれの関心ある分野の本を読んだり調べたりして、情報カードに基礎知識を蓄え、ある程度たまればまとめの文を書きます。学習カルテに日付、したことやわからないことを書きます。これに、中心となった人がおひとりで180人分のコメントを毎週つけたということです。

このようにして調べる中で、問いを立てていきます。一人一時間づつ、放課後や夏休みを利用して面談し、本で調べてわかるようなことだからダメ、と指導します。これもおひとりでされたそうです。パッションには情熱と受難の両義性がある、と実感したと振り返ります。翌年、別の担当者になると、担任が担当することになりました。

高2で、アウトラインとサブテーマを細かに考え、10枚程度の予備論文を作成します。これにも、全員分のコメントをおひとりでつけたそうです。翌年は担任がすることとなりました。草分けは一人でしなければいけないが、道を作れば、あとに続く人が考えながら工夫すればよい、ということです。
中間発表が、高1で2回、高2で2回、高3で1回。なぜそのテーマなのか、何をやっているのか、などを2分程度で発表します。これに、一人の生徒が20人分くらいを担当し、コメントカードを書きます。一度教員が回収して、本人に返します。

高3で、400字詰めで50枚以上の論文を提出します。機械的に一人の教員が6、7人分くらいの生徒の論文を担当します。一つの論文を二人の教員が採点します。小笠原喜康「大学生のためのレポート・論文術」を参考に、注の付け方などの形式もしっかりと意識します。中心となった方が評価ルーブリックを作成しました。内容や形式について3段階の評価です。例えば、金子みすずを取り上げた論文を、数学の先生と音楽の先生が見ることになったそうですが、あまり評価はぶれなかったということです。これで、A評価になった論文は、論文集に掲載されます。

現在は、対象生徒を絞り、専任や講師の7人チームで、一人が20人を見る形態になりました。

この取り組みの意義は、国語の四技能、読む、聞く、話す、書くのすべてが、論文を書くという取り組みで伸ばせること、何より本をたくさん読むことになります。加えて、図書館やインターネットの使い方がわかり、パソコンでの資料・論文作成力もつきます。考えることに夢中になる、本を読むことに夢中になる、表現することに夢中になる、このように夢中になることで、他教科への関心も高まる、ということです。

2013年11月14日木曜日

教えない授業システムの要素

今月、千葉県アンドー塾の安藤賢考先生に講演をしていただきましたしていただきました。

その安藤先生の話す「授業システム構築の工夫」は、
「おもてなし活動 送り迎え」
「目標確認 生徒との約束」
「授業中のしつけ 集中力」
「生徒カウンセリング実施 癒し」
「スモールステップで教える 処理速度考慮」
「教えすぎない Whyを5回尋ねる指導法」
「例え法 身近なものを題材に解説を行う」
「承認行為を徹底的に行う 存在を認める」
「できるまで帰さないシステム 保護者への状況報告・信頼関係」
「天使と悪魔の表情指導 コミュニケーション教科」

ということでした。特に生徒との感情面も含めた関係づくりが学力伸長の基礎にあること、これはすべての教育活動の土台にあることを確認しました。


http://ameblo.jp/andojuku/entry-11631882664.html

情熱教室のふたり


「情熱教室のふたり」という本は、アメリカのチャータースクールの中で特に注目されるKIPP(Knowledge is Power Program:知識は力プログラム)という学校がいかに創られていったかが書かれています。

その内容や手法はアメリカの学校事情や文化を反映しているため、そのまま日本では使えないものがあります。しかし、家庭環境や人種によって「できない」と考えられている子どもに対して、「できる」と信じ、やり方を工夫しつづけることで道が開けてくる点だけは変わらないということに気づかせてくれます。

なにより、これだけ注目されるようになった学校を創った二人も、多くの失敗を重ね、様々な人たちから謙虚に学び、様々な障害にくじけそうになったということが、読む人を元気づけてくれると思います。

「KIPPをKIPPたらしめているのは生徒であって僕じゃない」

学校を知ってもらうには生徒を見てもらう、こうしたことを言える学校や先生は信じられる気がします。

http://www.amazon.co.jp/情熱教室のふたり-ジェイ・マシューズ/dp/4478021309/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1380098932&sr=8-1&keywords=情熱教室のふたり

2013年9月2日月曜日

東大生の中学時代

2013年6月3日 フェイスブックより

今年、東大連続合格を狙う中高一貫校と関わる機会があり、少し情報を集めたところ東大家庭教師友の会が発行する「東大生の中学時代」という本を見つけました。東大生80名へのアンケートやインタビューをもとにしています。いくつか面白かったところを書き出してみます。


・東大生の「勉強していない」は本当か
→移動時間中に英単語を覚えたり、塾で講義を受ける時間は入っていない。「ナチュラルな天才」への憧れから「あまりしなかった」と答えるけれども、いろいろな工夫をして勉強している。


・東大生の勉強方法
→一度間違えた問題は2週間後にもう一度解いて徹底的に攻略
。ただし、良問を厳選する。/質の高い参考書を見極める。発行年の新しいものを手に取る。

どういった問題や参考書が良いかは、教師のアドバイスが必要なところですね。


・塾との関係
→授業を聞かずに塾の課題に追われているのは非効率。授業を聞いて理解する方が楽。授業をよく聞かず後で勉強しなおすのも同様。

これも授業の質が問われるところです。



・授業中の姿勢
→同じ授業をずっと集中して聞くのは難しい。先生の出す「重要だぞ」というサインがでたら集中する。また、予習をして分からなかったところは集中する。

意外に、わかりやすい「大事だ」サインが必要だということですね。ちなみに、予習については「予習してわかるような内容なら授業で理解すればいい。反対に、予習で分からないところは考えてもムダ。いずれにしても授業をきちんと聞いていれば済む話。」という予習不要論も。いずれにしても、こういう生徒

を相手にするのであれば、一回一回の授業の教師側の準備がとても大事になりなすね。

・参考書のやり方
→数学は新しい問題をいくつも解く。一方、英語は同じ文を何度も読んで頭に叩き込む、という教科によってやり方を変える意見。一冊の問題集を徹底的にやり込むことで本番前に自信が持てた、という意見も。

・英単語
→毎日20個。3日ほど目を通したら、10個づつずらしながら覚える。英単語を覚えると英文が読めるようになることが楽しかった。



・ごほうび
→成績が良かったら高価なゲームを買ってやる、という体験をした人もいたが、その人もそれがきっかけで机に向かい、次第に成績がよくなることが快感となった、ということでした。学習意欲の市川モデルですと、報酬志向→自尊志向→訓練志向というプロセスでしょうか。どのように移行させるかが大事なところですね。

・計画表よりも勉強後の記録を
→毎日「○○の××を3ページ」など「やったことノート」をつけていた。勉強は効率があがる時もあればはかどらない時もある。それがノートを見ると一目瞭然。本番前に「これだけやった」という自信にもなるし、翌日にやらなければならない内容を整理することができた。勉強もスポーツと同じくメンタルな部分のコントロールが大事ということですね。勉強でも仕事でも取り掛かるまでの心理的ハードルがエネルギーを食いますが、振り返って次に何をしなければいけないかを絞り込むことで、翌日すぐに勉強にとりかかれる、ということも、このメンタルコントロールに含まれるのかも。質の高いルーティンですね。



・教員への印象
→「サバンナのビデオを見せられて、次の授業までにビデオに関することから自分でテーマを設定して調べてレポートを提出」「数検を勧められて高度なテキストを渡された。その誘いがうれしかった。」と知的好奇心を喚起する教員に関する意見もありましたが、そうでない教員についての意見も。しかし、後者の教員についても「当時は、それでも自分達より知識や経験を持った大人。そこから学べることは多いので、『予備校の先生より授業が下手』とか言う意見はどうかと思う。」という意見もありました。


上記のような意見を通じて見えてくるのは、

「どうすれば効率よく勉強できるか」を常に研究している姿勢のようにも見えます。

そうさせる理由は、部活や生徒会などに忙しい中学時代という背景、時間マネジメントをする必要があるということが関係しているように思います。実際、「早く部活をやめた友達の方が、気がゆるんでしまい成績が下がっていた」という意見もありました。

中学時代は、いろいろな経験をする中で、自分なりの勉強の仕方を模索すること自体に意味がある時期なのかもしれませんね。

http://www.amazon.co.jp/東大生の中学時代-東大家庭教師友の会/dp/4569770215/ref=tmm_tankobon_meta_binding_title_0?ie=UTF8&qid=1370236301&sr=8-1

花壇に水をやる子どもへの声がけ

2013年5月24日 フェイスブックより

有名な話なのでしょうか。
花壇係の教師が担任にお願いをしました。
「今日は雨が降っていますが、先日の雨の日、傘をさして学級花壇に水やりをしている子どもがいました。なんのために水をやるのかよく教えてほしいと思います。」

多くの教職員は失笑しながら「まったく、いまの子は」とあきれ、県の指導主事は「雨であっても教師の言うことにすなおに従う良い子ども達だ」と喜びました。

ところが、一年生を担任しているベテランの先生は、
「なぜ雨の日に水をやるのだろうか。」と感じ、雨の中、花壇にあげている子どもを見つけ、そっと近づいて聞いた。
「雨が降っているのにどうして水やりをしたの?」
「だって、先生。雨の水よりも、水道の水のほうがきれいなんだもの。きっと、きれいな花が咲くよ。」

子どもの行動を見たとき、まずはなぜそれをしたのかを聴いて、理解し、共感することが大事だという話です。

たくさんの本を書かれている家本芳郎さんですが、「<教育力>をみがく」は特に評価が高いようです。
その根本にある考え方は、以下のようなポイントにあると思われます。

・まず実態を調べる
・いくつかの方法を試し研究する
・指導目標は決めるが、方法は統一せず、それぞれの実践・研究を交流し、検証する
・こどもの自主性を育てる

初任者の先生で、まだ読まれていないという方がいらっしゃれば買って損のない本です。

http://www.amazon.co.jp/“教育力”をみがく-寺子屋新書-家本-芳郎/dp/4901330470/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1369361186&sr=8-1&keywords=教育力をみがく